毎日を心楽しく過ごしたい

日本産カブトガニのつがいで、左が雄、右が雌です。学名はTachypleus tridentatusで、Tachypleusは「はやく泳ぐ」tridentatusは「3つの鋸歯のある」の意味です(フォト14)。実際、水深が数メートルある水槽にカブトガニを入れると非常に速く泳ぐことができます。この写真は、今津の漁師の網にかかったカブトガニを入手して、数か月間だけ研究室で飼育したものを海に返す際に、私が撮影したものです(2009年)。雌雄ともに外骨格の損傷もなく、非常に美しい個体でした。当時は、博多湾や今津干潟で棲息するカブトガニを観察することができましたが、いまではほとんど見かけなくなりました。温暖化の進行により海水上層部の温度が上昇し(特に夏場の産卵場所などの浅い海など)、その結果、海水に含まれる酸素濃度が低下して、棲息できないのではと危惧しています。